小貫雅男・伊藤恵子 著
四六判/256ページ/本体2200円+税
2008年6月/ISBN 978-486187049
週に2日は従来型の仕事を行い、5日は暮らしの基盤となる菜園仕事や地域活動に携わる菜園家族を基調とし、流域地域圏の再生とワークシェアリング、自給の拡大によって、真の循環型共生社会を実現する。
プロローグ 国破れて山河あり
第1章 「辺境」からの視点
モンゴル『四季・遊牧』から「菜園家族」構想へ/森と琵琶湖を結ぶ十一の流域地域圏/
里山研究庵と調査活動の進展/“菜園家族 山の学校”から広がる展望
第2章 人間復活の「菜園家族」構想
1 「菜園家族」構想の理念と原理
2 「菜園家族」構想とCFP複合社会
3 自然の摂理と「菜園家族」
4 地球温暖化と「菜園家族」
第3章 グローバル経済の対抗軸としての地域
──森と海(湖)を結ぶ流域地域圏再生への道
1 中規模専業農家と「菜園家族」による田園地帯の再生
2 「森の菜園家族」による森林地帯の再生
3 「匠商家族」が担う中心街と中核都市
第4章 地域再生に果たす国と地方自治体の役割
1 公的「土地バンク」の設立??農地と勤め口(ワーク)のシェアリング
2 「菜園家族」のための住宅政策──戦後ドイツの政策思想に学ぶ
3 新しい地域金融システムと交通システムの確立
4 流域地域圏における地方自治のあり方
第5章 “菜園家族 山の学校”その未来への夢
1 “めだかの学校”を取り戻す
2 新しい「地域研究」の創造をめざして??「在野の学」の先進性
3 おおらかな学びあいの場と温もりある人間の絆を
4 諦念に沈む限界集落
5 再起への思い
エピローグ 分かちあいの世界へ
苦難の道を越えて/いのちの思想を現実の世界へ/まことの「自立」と共生をめざして
書評オープン 『日本農業新聞』(2008年7月28日より) 『日本農業新聞』(2008年7月28日)、『ふぇみん』(08年8月15日号)、『むすび』(08年10月号・正食協会)、『お江戸舟遊び瓦版』(08年9月)、『立命館大学国際平和ミュージアムだより』(10年9月8日号)で紹介されました。
「本書で説く『菜園家族』とは、親子三代の家族構成を基盤として、週5日は衣食住を手作りする暮らしにより、人間性を取り戻し、地に足のついた暮らしを復活させる。残り二日は企業や役場で働き賃金収入を得る、新たな社会を描いている。日本各地で半農半Xの暮らしを求める動きや地域内循環を模索した民間非営利団体(NPO)活動に見られるように菜園家族に類した暮らしは急速に拡大している。/行政、企業の職場の現実をかんがみると週休5日のワークシェアへのシフトは、一見困難なようだが、精神的な病により職場勤務ができない労働者が増えているのも現実である。社会への不安感が高まるなか、人と人、人と自然のつながりを取り戻した暮らしへの転換が求められていることは周知であろう。」
『歴史の教訓と社会主義』(ロゴス 12年5月)に、引用紹介されました。