村井吉敬 編著
四六判/312ページ/本体2300円+税
2006年4月/978-4861870200
ODAが始まって50年。本当に途上国の役に立ってきたのか?日本の経済利益の確保や政治的利害のためではないのか?途上国の現状に詳しい著者たちが、人びとが平和に生きるためのODAへの転換を訴える。
第1章 戦争賠償からODA大国へ/内海愛子・村井吉敬
第2章 ODAによる経済利益の確保/金子文夫
第3章 ODAと政治・政治家/村井吉敬
第4章 「反テロ戦争」下の援助―軍事化する援助/越田清和
第5章 「ODAとNGOのパートナーシップ』再考/越田清和
第6章 「援助される側の人びと」から見たODA
1 「忌むべき債務」の帳消し/井上礼子
2 メコン河流域開発をめぐって/松本 悟
3 住民の意見を反映させるためのNGOの役割/久保康之
4 アフリカの債務問題/普川容子
第7章 贈与と借款の功罪/中村尚司
第8章 ひとりひとりの生存と地球環境の社会保障に貢献する
ODAの提言/アジア太平洋資料センター(PARC)
書評オープン 『政府刊行物新聞』(2006年5月5日より) ……長年ODA問題に市民の立場でかかわってきた九人の執筆者が、援助される側の“普通の人々”の視点から検証を試みたのが本書。……債務のつけを負わされ、ODAの犠牲になってきたアジアの人々の声をすくいあげ、開発独裁政権の存続や汚職・腐敗に「貢献」した側面もまた、現地の綿密な調査を踏まえ検証している。国際人道主義に立ち返り、平和と格差解消のためのODAへの転換を―とのメッセージを込めた書である。 『信濃毎日新聞』(2006年7月2日より) 『オルタ』(06年12月号)、『週刊現代』(06年5月15日)、『インパクション』(06年6月・152号)、『ガバナンス』(06年7月号)、『季刊ピープルズプラン』(06年秋号)で紹介されました。
……本書は、これまでのODAのあり方の自省と、アジア・代三世界の人びとと「ともに生きる」基盤を作るためにODAは堂あるべきかを考え、援助を受けてきた「普通の人々」の立場に立って、そのあり方を批判的に捉え、ODAの哲学・思考の回路を変え、広く世界の人々から信頼される「公共政策」としてのODAを構築していこうとするものである。