農業聖典【新装版】

アルバート・ハワード 著、保田 茂 監訳、魚住道郎 解説
本体価格=3200円+税、A5判、324ページ
ISBN:978-4-86187-170-2 C3066 3月中旬刊行

良質の堆肥による生きた土が、作物、家畜、そして人びとを健康にする。「有機農業のバイブル」と言われる古典的名著をわかりやすい訳で復刊。土と環境と食べ物と健康への近代農業の弊害が顕著に現れている今日だからこそ、農業者や研究者をはじめ農と食について考える多くの人びとに読み継がれてほしい。今回、手に取りやすい価格で改装版を発行!

目次

監修者まえがき

はじめに
覚え書き

第1章 序論
  1 自然による土壌管理
  2 滅亡した民族の農業
  3 東洋(アジア)の伝統的な農業
  4 欧米の農法

第Ⅰ部 農業における地力の役割
第2章 地力の本質
  1 生長と分解
  2 地力とは? 腐植とは?
  3 植物に対する腐植の効果

第3章 地力の回復
  1 地力の低下と維持く
  2 欧米農業における有機物の供給源

第Ⅱ部 インドール式処理法
第4章 インドール式処理法
  1 必要な原料
  2 堆肥坑と野積み
  3 野積みと堆肥坑の積み込み
  4 堆肥の切り返し
  5 腐植[堆肥]の保管
  6 生産量
  7 腐植の製造に重要なこと

第5章 インドール式処理法の実用化
  1 コーヒー
  2 茶
  3 サトウキビ
  4 綿
  5 サイザル
  6 トウモロコシ
  7 米
  8 野菜
  9 ブドウ

第6章 インドール式処理法の発展(1)
  1 緑肥栽培
  2 窒素化合物(硝酸塩)蓄積の保護
  3 腐植の生産
  4 腐植製造による窒素化合物の保護
  5 緑肥肥培の改良

第7章 インドール式処理法の発展(2)
  1 草地管理
  2 土壌中の腐植生成を促進する方法

第8章 インドール式処理法の発展(3)
  1 都市廃棄物の有効利用
  2 ごみ処理場で作られる腐植
  3 人糞の堆肥化

第Ⅲ部 農業における健康、活力低下および病気
第9章 土壌の通気
  1 草木と土壌の通気の関係
  2 落葉樹の根系の活動
  3 常緑樹の根系の活動
  4 草の害
  5 草生栽培下の若木に対する通気溝の影響
  6 試験から得られた結果
  7 草の害が及ぶ原因
  8 草による害が少ない森林の樹木
  9 心土の通気

第10章 土壌の不健全性

第11章 病害虫発生前の作物と家畜の退化

第12章 地力と国民の健康

第Ⅳ部 農業研究
第13章 今日の農業研究に対する批判

第14章 農業研究の成功事例

第Ⅴ部 結論と課題

第15章 総括 

著者プロフィール

アルバート・ハワード Sir Albert Howard

植物病理学者、農学者。1873年12月8日‐1947年10月20日。1896年からケンブリッジ大学で生物を専攻。農学講師等を経て、1905年から1931年まで、インド政府の帝国経済植物学者、及び1924年からはインドール農業研究所の所長を務めた。インド、中国、日本の伝統的な有機廃棄物を循環させた堆肥づくりと西洋の科学を統合した衛生的で簡便な「インドール式処理法」を提唱、インド、南アフリカ、中南米、アメリカ、豪州など30か国以上に広がった。『農業聖典』(1940年)、『ハワードの有機農業』(原題 Soil and Health 1947年)では、良質の堆肥を入れた生きた土が作物、家畜、そして人びとを健康にすることが明らかにされ、世界の有機農業運動の基礎を築いた。『農業聖典』は有機農業のバイブルとして、今も広く読み継がれている。

 

特定非営利活動法人 日本有機農業研究会

1971年に一楽照雄の呼びかけで結成された、生産者消費者研究者らが集う、有機農業を進める研究・実践・運動団体。会誌『土と健康』を発行。有機農業全国大会、各種研究会・講座の開催、啓発書の発行、食料自給、生産者と消費者の提携、育苗ネットワークなどの活動をおこなっている。

 

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