槌田 博 著
A5判/128ページ/本体1300円+税
1999年4月/978-4906640195
食べ物や空気をとおして人体に吸収されるダイオキシン。日常生活レベルでの実践的な対策と知識をわかりやすく説明した決定版。危険の根源である塩素が含まれたプラスチック製品を追放しよう。
第一章 敵=ダイオキシンを知る
1 敵は、ひとつではない
2 塩素の結合位置と毒性の強さ
3 猛毒ダイオキシン(2、3、7、8ITCDD)
4 ダイオキシンはどこから発生しているのか
5 ダイオキシンによる環境汚染
6 私たちはダイオキシンを何からどれぐらい摂っているのか
第二章 環境ホルモンとダイオキシン
1 環境ホルモンとは何か
2 環境ホルモンの影響
3 とくに問題が大きい環境ホルモン
4 環境ホルモンの区分と対策
第三章 プラスチックの基礎知識
1 暮らしにあふれるプラスチック
2 危険なプラスチックの見分け方
3 添加剤もよくチェックしよう
第四章 日本政府の対応
1 いぜんとして甘い基準
2 早急に必要なごみ焼却場のダイオキシン対策
第五章 ダイオキシンの根源を探る
1 有機化合物の危険度の見分け方
2 廃棄物の処分方法を考える
3 ダイオキシンの代表的な塩素源
第六章 ダイオキシンを防ぐ暮らし
1 基本的な考え方
2 すぐにできること
3 みんなの力で取り戻す安全な暮らし
4 塩素税で環境をきれいに
書評オープン 『朝日新聞』(1999年4月19日より) ※そのほか、『日刊ゲンダイ』(99年5月6日)、『日本農業新聞』(99年5月31日)、『月刊廃棄物』(99年6月)、『晨』(99年6月)、『食べもの文化』(99年10月)などで紹介されました。 読者の声オープン 生活に密着した参考書としてすばらしいの一言である。詳細に調査した結果に基づいて書かれており、ダイオキシンや環境ホルモンを知る参考書としても役立つ。また、危険なプラスチックの基礎知識のデータも大変生活に役立つ、大学の環境科学の参考書として推奨します。槌田氏の著書は生活密着型であり、今後のさらなる出版活躍を期待します。 (男)
ダイオキシンの危険性は確認できても、どのようにして発生し、大気・土壌を汚し、健康を脅かすのかについては、よく知らない人が多いだろう。そのメカニズムや、国の対応、ごみ処理の現状など社会的な側面を解説、避ける方法を教えてくれる実用書。
筆者は農薬などによる環境汚染に詳しい研究者だ。
結局、有効な対策は、不要なものを買ってごみを増やさないこと、ダイオキシンのもとになる「有機塩素化合物」の使用を減らすこと、という。有機塩素環境税の創設も提案している。
身を守りたいなら、まず自分がダイオキシンのもとを出さないよう、日用品ひとつひとつを吟味して選ぶ。それぐらいの覚悟が求められているようだ。