北海道グリーンファンド 監修
四六判/192ページ/本体1800円+税
1999年12月/978-4906640225
節電した分を風力や太陽光などを普及する基金に寄付し、自然エネルギーを推進する。欧米の新しい政策の紹介、エネルギー供給と利用の効率化……原発も温暖化もない21世紀を創るための具体的な提案の数々。
第1章 グリーンファンドとグリーン電力
1 動き出したグリーンファンド
2 抵抗からオルターナティブへ
3 市民不在で進む日本の「電力自由化」を変える
4 「好きな電気」が選べるグリーン電気料金制度
第2章 エネルギー問題は環境問題
1 エネルギーって何?
2 エネルギーはどう使われてきたか
3 「エネルギー危機」は「使いすぎの危機」
第3章 「終わり」に向かい始めた原子力の時代
1 原発は地球温暖化を救えない
2 割に合わない高いコストの原発
3 原子力施設と放射能汚染
4 脱原子力に向かう欧米各国
5 アジア諸国への原発輸出
第4章 省エネルギー社会への転換
1 失われるエネルギーが増えている
2 エネルギー供給の効率化
3 エネルギー利用の効率化
4 電力事業とDSM(需要管理型経済)
5 省エネ型の社会システムへ
第5章 可能性豊かな新エネルギー発電
1 日本の新エネルギー政策
2 市場化が進む太陽光発電
3 企業・自治体が積極的な風力発電
4 小規模分散型の再生可能エネルギー発電
第6章 電力自由化が電力システムを変える
1 自由化へ向かう電力市場
2 欧米で進む電力市場の自由化
3 電力自由化の功罪
第7章 創り出そう! 市民のグリーン電力
1 日本のエネルギー政策をこう変える
2 自然エネルギー普及のための政策
3 持続可能な電力市場への改革
4 各国に広がるグリーン電力
あとがき
書評オープン 『北海道新聞』(1999年12月20日より) ※このほか、『朝日新聞』(2000年5月21日)、『ふぇみん』(2000年1月1日)、『ASITA』(2000年1月号)、『週刊金曜日』(2000年1月14日)、『エネルギーフォーラム』(2000年4月号)、『湧水』(2000年2月号)その他で紹介されました。
市民が資金を出し合って風力発電所の建設を目指す「北海道グリーンファンド」が監修した『グリーン電力』が出版された。同ファンドが進めているグリーン電気料金運動を紹介しているほか、自然エネルギー普及で地球環境保全に取り組む欧米各国の実例も詳しい。
同ファンドの構成団体、生活クラブ生協北海道が昨年発刊した「おーい、こっちの電気はやさしいよ」に東京の出版社コモンズの大江正章社長が着目。「市民による自然エネルギー創出の取組を知ってもらおう」と、欧米の環境エネルギー事情や最新データなどを大幅に増補した。
同書はまず、市民が毎月北電に支払う電気料金に五%分の基金を上乗せし、それを風力発電所建設の財源にする「グリーン電気運動」を解説。
市民が発電事業に乗り出した全国初の取り組みを紹介する。
また急速に脱原発に傾いている欧米各国の現状について報告。
二〇二〇年までにすべての電力事業者に販売電力の七・五%を自然エネルギーにするよう義務づける米国や、二〇三〇年までに全電力量の六〇%を自然エネルギーでまかなう国策をとっているデンマークを取り上げている。