小島直子(バリアフリーコンサルタント)著
四六判/256ページ/本体1700円+税
2000年5月/978-4906640300
障害者にとって切実な排出の問題も正面から取り上げ、ボランティアに支えられた一人暮らし、本物の自立や仕事への想いを、重い障害をもった若い女性がのびやかに描く。生きる勇気が湧いてくる本。
第1章 NAOKOの24時間
1 5時29分の壁
2 ウォッシングとペインティング
3 ヘルパーさんとの充実した3時間
4 9時とうんちと日記の話
第2章 誕生から自立へ
1 太った赤ちゃん
2 規則だらけの訓練地獄
3 普通の小学校へ行く!
4 平和な3年間・中学生
5 夢の原点・高校生
6 自立への一歩
第3章 生きていくことの重み
1 合格したのに通えない
2 24時間介護の生活
3 頑張りすぎない
4 「ずるい!」と思わせたまち
5 断られ続きの就職活動
6 卒業
第4章 叶わない夢はない
1 ハーモニーハイツで朝食を
2 仕事への想い
3 建築デザインの勉強
4 恋愛
5 越えられなかった壁
6 もっと自由に生きよう
ラブ・レター
小島直子という存在──あとがきにかえて
書評オープン 『朝日新聞』「著者に会いたい」(2000年6月18日より) 1歳8カ月で先天性脳性マヒと診断された。手足が自由に動かない。それでも「地域の学校に通いたい」という娘の熱意に、両親は教育委員会などと何度も掛け合い、小2の時、養護学校から普通校に転校した。登下校と休み時間は母が付き添い、車いす介助はクラスメートが見事なチームワークを発揮した。 『毎日新聞』(2000年7月13日より) ※そのほか、『介護保険情報』(00年7月号)、『週刊朝日』(00年7月28日)、『SPA!』、『ダ・ヴィンチ』(00年6月6日)、『週刊現代』(00年6月17日)、『アエラ』(00年9月4日)、『ほんコミニケート』(00年8月)、『赤旗』(00年10月22日)、『女性セブン』などで紹介されました。 読者の声オープン 小島直子さん、この本を書いて下さってありがとうございました。私も自立の事で色々悩んでいましたが、踏ん切りがついて背中を「ポン!」と押してもらった気分です。これからは私なりの自立のスタイルを見つけて、1日1日楽しく暮らしていきたいと思っています。 (34歳・女) 車イスにのる小学4年生の娘を持つ母です。こんな本を待っていました。傷害のある娘が自立を目指す時、具体的にどんな問題にぶつかり、どう解決していくのかがとてもよく伝わりました。小島さんの例は1つの例にすぎませんが、娘にとってはやっぱり「道しるべ」の一つです。 (38歳・主婦) おごらず、ひるまず、素直で女らしく、すばらしい人生の天才。感心して一気に読みました。私も交通事故で下半身マヒです。 (69歳・男)
脳性小児マヒで、手足を自由に動かせない。何を手助けしてもらわなければならないか。どういう手順がいいか。どうやって伝えればわかりやすいか。二十四時間介護が必要な境遇で自分らしい生活を保つために、細かい段取りを考えるのが習い性になった。
ヘルパーやボランティアから三十人の介護ネットワークを組織して、四年前から一人暮らし。バリアフリーのまちづくりの調査や講演に飛び回る。通信制大学で住宅デザインを学ぶ学生でもある。
そんな日常生活で感じたことを、三年がかりで本にした。「自分で処理できたら、もっと自由になれるのに」というトイレ問題の切実さが、タイトルの由来。シモの話から恋や就職の悩みまで、三十一年の歩みが率直で軽やかなタッチでつづられる。
「もし障害があったら、あなたもこういう人生を生きたかもしれない。そこには、ハードの整備では解決できない多様なバリアがある。一人ひとりがそれに気づいてくれたら、街も少しは変わるんじゃないかな。そんな期待があるんです」
通学が遠くなった高校からは紙おむつ。「私が一人で生活することは不可能だけど、勉強したい」。1浪して愛知県にある日本福祉大学に合格したときには、大勢の学生の前でこう演説し、友人らの介護ネットワークで4年間の下宿と学生生活を乗り切った。