浜田久美子(愉快な山仕事主宰) 著
四六判/232ページ/本体1800円+税
2000年11月/978-4906640355
地域の材をたっぷり使い、建築家と話し合い、参加しながら造った木の家は気持ちいい。山も満足、住み手も満足。こだわりの素材や設備と住み心地を描く。写真多数。専門家へのインタビューも参考になる。
プロローグ 家づくりを「遊ぶ」
建てるプロセスにかかわりたい
きっかけの連鎖反応
つくり続ける家
第1部 気持ちのいい木の家を建てる
1 初めの一歩
まずは土地探し
山仕事塾のすぐ近くに“いい感じ”の売り地
ハウスメーカーの転身
鍵はパートナー=つくり手
国産材を使いたい、ちょっと長い理由
2 「建ててもらう」から「参加する」へ
家は買うものではない、自分でも建てるものだ
間取りを考えなければ……
四つのこだわり
方眼紙と格闘
わが家のエネルギーは燃料電池で
木や草から発電や給湯できる!?
結局ハウスメーカーはパス
3 地域の木にこだわった家の素材と設備
家づくりには流れがある
こだわりのディテール
嵐の建前
4 素人奮闘中
メインは「塗る」作業
まずは土台の木酢液塗り
実は大変だった炭撒き
素人でも大丈夫な自然塗料
助っ人も加わり、外まわりを塗る
しっくい塗りには人海戦術が似合う
教えるほうも教わるほうも楽しかった、しっくい塗り講座
レンガ関係は夫の仕事
思わず鑑賞してしまう建具塗り
床塗りは秘密兵器で
5 話し合いながらつくる家
嵐の余波
気にならなくなった汚れとカビ
乾燥に邁進する住宅業界
大切なのは何を優先するか
木を生かす内装
6 木の家は気持ちいい!
そして完成
みんなに好評な無垢の素材感
不人気なカラマツも使いよう
障子だけは支障
暖房は薪ストーブ一つ
アカマツを有効利用したい
メンテナンスの要は、お風呂、外壁、ベランダ
第2部 木の家を建てるために-専門家へのインタビュー
1 木の家の建築家<丹呉明恭さん>に聞く
2 木材の専門家<上村武さん>に聞く
3 「快適」研究の専門家<宮崎良文さん>に聞く
4 山と街をつなぐ人<稲木清貴さん>に聞く
5 木を生かす人<有賀恵一さん>に聞く
エピローグ 小さな山のにわか山守り
ハマダ山の誕生
間伐して広葉樹主体の林にしよう
いろんな材を利用できる幸せ
あとがき
書評オープン 『産経新聞』(2000年12月12日より) ※そのほか「LIVING DESIGN」(02年 VOL.22)、『クーヨン』(01年2月)、『信濃毎日新聞』(00年12月30日)、『晨』(01年1月)などでも紹介されました。 読者の声オープン コンクリートの家に住んでいて、冬の寒さに苦慮しています。少しでも暖かくできないものか工夫していますが、この本を読んで木の家にすべきだったと後悔しています。 (64歳・男性) 現在アパート住まいですが、近い将来、家を建てたいと思ってます。木をたくさん使った家を建てたいと漠然と思っていたのですが、最近話題の「シックハウス症候群」でその思いが一段と強くなりました。書店でこの本を見つけ一気に読み、自分の欲しい家がはっきりしました。本書を参考にして自分の思いをカタチにします。ありがとうございました。 (33歳・男性)
シックハウス症候群が社会問題としてマスコミで取り上げられるなど、日本人の住まいのあり方が改めて問われている。森や山仕事をテーマに執筆活動を行ってきた著者は、長野県伊那市の美しい自然にひかれ、地域の木材を使った木の家を建てることを思い立つ。
まず第一歩は土地探し。さらに、こだわりを持つ製材所や建具屋との出会いを重ねるうちに、「家を建ててもらう」ではなく「家作りに参加する」へと心が傾く。自然に還る=土に戻るという基準を心がけて家の素材を選択、壁塗りなどのプロセスにも加わって「家作りをどう遊んだか」がいきいきと描かれている。
また、木の家を数多く手がけた建築家や木材の快適性を研究する専門家などにもインタビュー。木の家の建て方も分かりやすく解説している。