久保康之 編著
A5判/75ページ/本体800円+税
2003年5月/ISBN 978-4906640966
「毎日の食事もままならない」「村の娘たちが売春をするようになった」「ダム建設が住民の利益になる、なんて話はウソだった」……。日本の企業によって計画・建設され、日本の政府開発援助機関が調査費と建設費を供与・融資したインドネシアのコトパンジャン・ダム。
「伝統的な社会で、過不足なく暮らしを営んできた村人にとって、援助は開発の『果実』と無縁にしただけでなく、伝統的な生活が根底から破壊された。いわば、援助の犠牲になった。村人の声は、自国政府とともに、そういう援助を実行してきた『日本』をも問い返している」(本文より)
目次
無責任援助に外務省はどう関与してきたか/諏訪勝
住民とともに闘う支援者たち /アルメン・ムハマッド・ロニー・イスカンダル
権利・回復を求めるインドネシアでの訴え/アデル・ユシルマン(現地弁護士)
破壊されたミナンカバウの伝統と豊かな自然/久保康之
奪われたわたしたちの豊かさ──住民の聞き取りから
変わらぬODA体質と裁判の意義/村井吉敬