本野一郎 著
四六判/256ページ/本体1900円+税
2006年2月/ISBN 978-4861870187
忘れもしない神戸の大震災。当日から復興に活躍したのは、消費者と深いつながりをもっていた地元の農協だった。
日本を覆いつくす「おカネの秩序」を超えて「命の秩序」を創りだすとき、新しい協同社会が生まれる。そこに欠かせないのは、身近に農があることだ。
地域に根づいた農協のリーダーが発信する熱いメッセージ。内藤克人氏推薦!
まえがき
第1章 震災救援から自給へ
1 地震は未来を開くだろうか──私たちのライフライン
2 震災復興・生命の祭り──震災とニュータウン
3 「自給をすすめる百姓たち」の発足ー自給・自立・環境
第2章 有機農業運動の道
1 有機農業の発展と提携原理
2 明日の有機農業──アメリカのCSA
3 遺伝子操作と農業の原理
4 有機農業に対するJAの営農指導
5 運動と経営の接点を探る
6 暮農・営農・企農
第3章 たべもの協同組合の可能性
1 協同組合の時代を招きよせるために
2 生産者と消費者の提携をどう深めるか
3 地域に密着したJA
4 たべもの協同組合への道
5 若者はJAをめざせ
6 NPOと言えるJA──二一世紀の要請に応えて
7 地域自給と共感の世界
8 合併農協と相互扶助原理
第4章 種とりの時代
1 種は人類共有の文化財産
2 在来種の復活を
3 自然認識と遺伝子操作技術
4 各地で「たねとりくらぶ」を始めよう
第5章 「たべものの通貨」の船出──地産地消運動の一環として
1 エンデの遺言と野菜の暴落
2 農業からみた地域通貨
3 「たべもの通貨」の仕組みづくり
第6章 いのちの秩序 農の力
1 グローバリズムの本質
2 開かれた<農村共同体セクター>の意義
3 たべもの協同社会へ
資料1 生命系民主主義運動の意義──バンタナ・シヴァ氏へのインタビュー
資料2 ナヴダーニャの活動
書評オープン 『神戸新聞』(2006年2月17日より) 『神戸新聞』(06年2月17日)、『農業共済新聞』(06年3月15日)、『文化連情報』(06年3月)、『出版ニュース』(06年3月下旬号)、『日本農業新聞』(06年4月17日)、『農業と経済』(06年9月号)、『ひこばえ通信』(09年4月号)、『ひこばえ通信』(09年7月号)で紹介されました。
……農村から都市部に大量の炊き出しを送り出した阪神・淡路大震災の経験から、農業の力の偉大さをあらためて痛感・生産者だけでなく食物の流通、調理や医療にかかわる人たちが手を組み生活を見直す「たべもの協同社会」を提唱している。……
有機農業を基盤に、生産者だけでなく食物の加工や流通、調理、さらには食育や医療にかかわる地域住民で共同体を組む。そしてエネルギーの自給に取り組んだり、健康を意識した食生活に力を注ぐなど、暮らしの仕組みをつくり直す―という内容だ。