有機的循環技術と持続的農業

大原興太郎 編著
A5判/160ページ/本体2200円+税
2008年6月/ISBN 978-4861870514

生ごみや食品廃棄物、建設残渣などを資源としてどう農業に活かし、廃棄物を減らして環境を守る資源循環を創っていくか。農家や市民活動など多くの具体的事例の綿密か調査をもとに、生態系と調和した技術のあり方と可能性を探る。

目次



書評

書評オープン


 農業に生ごみ、食品廃棄物などの未利用資源や自然力を生かし、環境を守る自然循環をどうつくっていくかをまとめた。/衣装ケースを利用して生ごみを堆肥(たいひ)化する活動、手作りのバイオガスプラントで生ごみリサイクルと有機農業への利用、食品産業の副産物を有効利用した養豚、建設業からでる端材から作る資源の農業への応用など、各地の先進的な事例から有機物循環システムと環境調和型農業を考察する。/欧州連合(EU) における環境農業政策を詳しく紹介するなど、これから求められる持続的農業に多くのヒントを示す。

『日本農業新聞』(2008年6月30日より)


 本書では、循環型社会への転換のために、有機物循環システムの構築が最重要課題であるととらえ、数々の資源循環システムを検証し、それぞれの可能性を示している。さらに、めざすべき「社会」のためには、人と自然の本来の立場を再確認し、協働精神の再構築が課題であること、そして、自然の能力を上手く発揮させる技術的技術を育み、それを互いに結びつけるネットワークの構築が重要であることを強く主張している。そのため、各章でとりあげられている有機物循環技術を参考に、地域の循環型社会の構築をめざす実践者には是非とも読んでいただきたい。

『農業と経済』(2008年10月号より)


『日本農業新聞』(08年6月30日)、『農業共済新聞』(08年9月10日)、『農業と経済』(08年10月号)、『農業経営研究』(08年12月)で紹介されました。