四六判/224ページ/本体1600円+税
2009年2月/ISBN 978-4861870576
市民の寄付で社会に役立つ活動を応援する仕組みは、どうやって生まれたのか。
助成を受けた団体は、どう成長したのか。手づくりファンドの熱い物語。
プロローグ 市民の寄付で市民事業を育てる
第1章 市民がつくった助成の仕組み
1.小さくとも価値のある活動を応援
2.ぐらんの船出まで
3.船出直後にバブル崩壊の荒波を受ける
4.まち未来のもとで再出発
5.ぐらんの運営と助成の仕組み
第2章 ぐらんが支援してきたNPOとNGO
1.都内で活動するNPO
(1)CCS世界の子どもと手をつなぐ学生の会
(2)PEACE暴力防止トレーニングセンター
(3)環境まちづくりNPOエコメッセ
(4)企業組合アジア・ワーカーズ・ネットワクあうん
(5)NPO法人ViViD
(6)NPO法人グランマ富士見台
2.アジアで活動するNPO、NGO
(1)認定NPO法人幼い難民を考える会(CYR)
(2)NPO法人国境なき子どもたち(KnK)
(3)NGO TECH JAPAN
3.2004~07年度の申請から見た助成の特徴
第3章 日本の助成金制度と、ぐらんのオリジナリティ
1.助成や寄付の仕組み
2.日本のさまざまな助成
3.ぐらんと類似した助成制度
4.ぐらんのオリジナリティ
5.これからの課題
第4章 市民がNPOを育てていくために
1.NPOとNGO
2.NPOの推移と様々な非営利事業
3.大規模な非営利型事業
(1)コミュニティハウスを運営するNPO法人ほっとコミュニティえどがわ
(2)環境によい住宅を建てて森林を守る中間法人天然住宅
4.NPOの資金調達(ファインドレイズ)
5.NPOの支援を通じて未来をつくる
あとがき
書評オープン 「ふぇみん」(09年4月25日号)、「ガバナンス」(09年4月号)、「参加システム」(13年11月号)で紹介されました。
市民ファンドは、市民の寄付で成り立ち、福祉・人権・まちづくり・国際協力などにかかわるNPOや非営利の事業を応援する助成制度のこと。本書は1994年に東京で発足した「草の根市民基金・ぐらん」の活動が紹介されている。英語で助成を意味する「ぐらん」は、生活クラブ生活協同組合・東京が、89年、人権や環境の分野で活躍した人に贈られる「ライト・ライブリフッド賞」を受賞したことがきっかけだった。市民による市民のための事業支援が決められ、「ぐらん」がスタートした。 赤い羽根募金やユニセフ募金、行政や法人、企業による寄付金や女性など多くの制度があることを本書から勉強させてもらった。ただ、募金先や先行が不透明、応募方法が複雑、助成金の使途が狭いなど、敷居が高いものが多いようだ。ぐらんは、そうした点をクリアするべくよく練られている。資金面で常時厳しい市民団体にとってうれしい存在であり、同種の試みが広がることを願う。