新石正弘(前ブリッジエーシアジャパン事務局長)
四六判/256ページ/本体1700円+税
2009年6月/ISBN 978-4861870613
軍事政権下ミャンマーの辺境の地で、難民と女性の自立支援や青年の職業訓練に心血を注ぎ、アジアへの民衆協力に生涯を捧げた男の遺稿集。
※第2690回 日本図書館協会選定図書
第1章 桟橋の引き渡し式典
第2章 国外からの批判か国内での活動か
第3章 迫られる決断
第4章 平和のための活動の開始
第5章 着実な歩み
第6章 新たな展開
第7章 NGOとODA
第8章 NGOが未来を開く
未完のエピローグ
<解 説> アジア人として生きた新石正弘 ― 中村尚司
<あとがき> 根本悦子
BAJの活動年表(前史~2008年)
書評オープン (『朝日新聞』09年6月28日より) 『島根日日新聞』(09年6月26日)、『朝日新聞』(09年6月28日)、『ガバナンス』(No.100、09年8月号)、『自然と人間』(vol.164、10年2月号)で紹介されました。
ミャンマーで活躍するNGOのリーダーが、現地での活動の実情を克明につづった本だ。仕事のない青年たちへの職業訓練、大型機材を使わない井戸や橋の建設、裁縫技術を軸にした女性たちへの自立支援など、活動内容は多岐にわたる。それを支えるのはスタッフの情熱と柔軟な発想力だ。「たかが式典だが、されど式典」「重要なのは人間」「機材は力」「人間の善意と信頼に基づいて事業を行うのがNGO」。国際協力の現場から発信された言葉の数々が印象的だ。筆者は本書執筆中、志半ばにして病に倒れた。しかしその遺志は、次の世代へと受け継がれていくだろう。