震災復興が語る農山村再生――地域づくりの本質[3刷]

 稲垣文彦ほか著 小田切徳美解題
四六判/272ページ/本体2200円+税
2014年10月/ISBN 978-4861871191

新潟県の中越地震から10年。
復興の過程で、住民が主体となった地域づくりへの取り組みが着実に進み、集落は元気になり、若者たちが移住した。
それは、全国の農山村・中山間地再生のモデルケースである。

目次

プロローグ 人口減少社会の扉を開けた中越地震

第1章 震災復興に立ち向かった10年
――なぜ「地域づくりの本質」が見えたのか
1 小さな声を復興の大きな流れへ――ボランティアからすべてが始まった
【コラム1】 三つの地震は何が同じで、何が違うのか
2 地域復興支援員という試み――全国初の人的支援制度
3 右肩下がりの時代の復興

第2章 復興のすごみ、奥深さ ――集落が変わった
1 限界集落から奇跡の集落へ――十日町市池谷・入山集落
2 集落は復興した――長岡市(旧山古志村)池谷集落
3 大学生の畑づくりからすべてが始まった――長岡市(旧川口町)木沢集落
【コラム2】 東北における復興支援員の現在
4 震災前からの積み重ね――長岡市(旧小国町)法末集落
5 超進化する村人――小千谷市若栃集落

第3章 震災復興が生み出したもの
1 新たな自治の可能性――集落を超えた地域づくりの枠組み
2 担い手確保への挑戦――イナカレッジの意義
3 オンナショ2・0――移住女子という生き方
4 復興が生んだ農山村ビジネス――山古志のアルパカと農家レストラン

第4章 震災復興から地域づくりへ
1 地域づくりの足し算と掛け算――コンサルタント主導の地域づくりの間違い
2 専門家ではない支援者が地域を変える
【コラム3】 中越から東日本へ、東日本から中越へ
3 計画ではなく共通認識
4 移住・定住が地域づくりの目的ではない
5 個人を開き、集落を開き、地域を開く

〈解題〉新しい復興・再生理論の誕生   小田切徳美

参考文献

あとがき

 

編著者プロフィール

稲垣文彦(いながき・ふみひこ)
1967年生まれ。中越防災安全推進機構復興デザインセンター長。
担当=プロローグ、第1章1・3、第2章2、第4章1・5、コラム1

阿部 巧(あべ・たくみ)
1980年生まれ。中越防災安全推進機構復興デザインセンターチーフコーディネーター
担当=第2章1・3・4、第3章1・2、第4章2・3

金子知也(かねこ・ともや)
1977年生まれ。中越防災安全推進機構復興デザインセンターチーフコーディネーター
担当=第1章2、第3章4、第4章4

日野正基(ひの・まさき)
1987年生まれ。中越防災安全推進機構復興デザインセンターコーディネーター
担当=第2章5、第3章3

石塚直樹(いしづか・なおき)
1980年生まれ。特定非営利法人せんだい・みやぎNPOセンターみやぎ連携復興センター事務局長(中越防災安全推進機構より出向中)
担当=コラム2・3

小田切徳美(おだぎり・とくみ)
1959年生まれ。明治大学農学部教授。
担当=解題

 

書評

「新潟日報」(14年10月28日)(14年12月14日)、「全国農業新聞」(14年11月28日)「日本農業新聞」「信濃毎日新聞」「オルタ」「ガバナンス」「地方自治職員研修」「出版ニュース」「ふぇみん」などで紹介されました。