木村聡
四六判/224ページ/定価=本体1,800円+税
2019年6月/ISBN 978-4-86187-160-3
ベトナムの地方都市をまわる大衆芸能「カイルン」の一座を追いながら、ベトナムの現在(いま)を生き生きとした文と写真で体感するノンフィクション。なぜ、彼らは旅を続けるのか。仕事とは、生きるとは、自由とは。たくましく、かつ切ないアウトローたちが、安穏と生きる日本人に問いかける。
第1章 旅の空の幻
1 みんなの幸せ
2 ベトナムのミュージカル
3 メコンデルタの旅芸人
第2章 それゆけユンリン一座
1 旅芸人の記録
2 とても〝いい加減〟な反骨
3 どさ回りの流儀
第3章 マングローブはカイルンを待っていた●カマウ●
1 蚊がいっぱいの最果てへ
2 森の賢者とペリカン
3 幽溟の森
第4章 あるセロイ引きの物語●ソクチャン●
1 追いかけてきた男
2 クメールのカイルン舞台
3 セロイ引き
第5章 老人たちと海●フーコック●
1 舟の上でカイルンを歌う
2 乾いた艪
3 漁師になった難民
4 老漁師たち
第6章 死に場所へ橋を架ける●カントー●
1 飯場のカイルン
2 橋桁の下に
3 対岸にあった物語
第7章 ドリフターズ●漂泊者たち●
1 瀕死の劇団
2 酒場のステージ
3 旅芸人たちの居場所
4 メコンデルタは今日も雨だった
漂えど沈まぬ人たちに――あとがきに代えて
木村聡(きむら・さとる)
1965年、東京都生まれ。フォトジャーナリスト。
新聞社勤務を経て、1994年よりフリーランス。国内外のドキュメンタリー取材を中心に活動。
著作に『ベトナムの食えない面々』(めこん、1997年)、『千年の旅の民――<ジプシー>のゆくえ』(新泉社、2010年)、『満腹の情景』(花伝社、2019年)など。
◆ホームページ www.pjkimura.net